夏休みの映画感想文

学生のみなさんはそろそろ夏休みも終わりで宿題も追い込みかけないとなぁと憂鬱になる時期かと思われますが、最近は夏休みの課題がない学校とか、読書感想文はAIに書かせる、とかいう昨今の事情を風の頼りに聞きました。しかも、AIの文章構成能力はスカイロケットに飛躍しているとかで、評価をする側は上手く書けている文章こそAIを疑わなければならない、とかものすごいことになっているそうで。

そんなわけで誰に課されているわけでもないのに、夏休みの映画感想文。AIにもお願いできないような、とりとめのない言いたいことを言うだけ感想文です。

「パディントン 消えた黄金郷の秘密」(2024年)

愛してやまないパディントンの映画シリーズ3作目は、ロンドンを離れ、パディントンの故郷ペルーで大冒険。ホリディムービーというにふさわしいお祭り映画で、期待以上に楽しかった! 嫌な気持ちにまったくならない、ニッコリが止まらない大好きな1作です。

「宝島」(2019年)ギヨーム・ブラック監督

フランスにある夏のレジャー施設(東京サマーランドみたいな)を舞台にした、ドキュメンタリー映画みたいなフィクション作品で、プールに遊びに来る子供たちやナンパをする若者たちから、施設で働く大人たちまで、特定の主人公はいなくて群像劇でみせる、ひと夏の何にも起きない非日常を淡々とカメラに映していて、なぜか面白くてずっと見ていられるし、最後には行ったこともない場所なのに、ちょっと切ない郷愁みたいなものも覚えて、心に残る不思議といい映画でした。

「ノーウェア」(1997年)グレッグ・アラキ監督

見たような見てないような記憶が曖昧すぎて、デジタル・リマスター版が配信されていたので急いで見たら、ものすごく楽しかった。どの瞬間で画面を止めても文字通りキマッてるビジュアルで、「え、今のなに?」と叫ばざるを得ない突拍子もないトンデモ物語が展開します。「ぎゃー90年代コレコレ!」と叫んじゃうファッションも溢れ出ていて、もう瞳はレインボー。

「オーメ:ザ・ファースト」(2024年)アルカシャ・スティーブンソン監督

666は悪魔の数字と全日本人の頭に焼き付けた傑作ホラーシリーズ、オーメンの最新作で、悪魔の子、ダミアンがどのようにして生まれたかを描いた前日譚。山のように作られるリブートとか続編の出来がいまいちなことが多すぎて、こちらも特に期待することなく見たら、予想以上に良くできていて嬉しくなりました。オカルト・ホラーのぞわぞわする恐怖表現もばっちりだし、赤子ダミアン誕生のお膳立てストーリーもしっかりしていて、最後にまたゾワーッとして終わるという素晴らしさ。ありがとう。

「Go!Go!チアーズ」(2000年)ジェイミー・バビット監督

私のお気に入り、ナターシャ・リオン主演のラブコメディ作品で、同性愛更生施設に入れられた高校生のチアリーダーが自分の本当の姿を見つけるまでを、カラフルでドールハウスみたいな甘々キュートな作り物の世界のビジュアルで見せてくれる、可愛いグッドハートないい映画でした。劇中でDressy BessyとかGo Sailorなどの90年代ガールインディーバンドがガンガン流れるのも最高。

劇中で流れてきて思わずふんふん口ずさむ Dressy Bessy「Just Like Henry」

「スーパーマン」(2025年)ジェームズ・ガン監督

スーパーヒーローもののリブートやらシリーズも山のようにあって、「もういいです」と食傷気味のところにドッカーン! と快作が放り込まれました。誰もが知ってるあのスーパーマンの完全リブート1作目で、個人的にマーベルでいちばん好きな作品「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のジェームズ・ガンが監督。あー、面白かった! という感想一言で十分というか、エンタメ映画は面白かった、が最高級の褒め言葉なので、これで終了。

でも、やっぱり言いたい、スーパードッグのクリプトがほんとにほんとに最高だったのと、スーパーマンの仲間のヒーロー、Mr Terrificの戦闘シーンで流れる曲(下)とアクションが痺れるくらい素晴らしかった。スーパーヒーローものの戦闘シーンのベスト5に入れたい。

ノア・バームバック監督の「イカとクジラ」からバンド名をつけたという、Noah And The Whale「5 Years Time (Sun Sun Sun)」

あと、スーパーマンは移民であり、完璧ではないし間違いを起こすこともあるけれど、いい行いをしようと努力する一人の人間なんだというメッセージにもグッときました。

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