扉の向こうのHeavenly

一瞬目を疑うような、この世のものと思われないほどの、幻惑される画像に出会いました。スペイン、バルセロナから車で1時間ほど南西にある、L’Institut Pere Mataという精神病院の建築です。カタロニアの著名なモダニスト建築家、Lluís Domènech i Montaner(リュイス・ドメネッチ・イ・モンタネル)によるアールヌーヴォー式建築で、19世紀末頃に建てられたものだそうです。

アール・ヌーヴォー建築の極み スペインの精神病院、Pere Mata

インテリア雑誌、「The World Of Interiors」のウェブ記事で見つけました。「Heavenly Asylum」とタイトルがつけられるくらい、夢のなかで描いたような美しさにしばし言葉を失い見入ってしまいました。現在では観光地として訪れることができるそうで、多分一生行けない気がするけど行ってみたい。

ここが病院だったなんて信じられないほどですが、どうやらお金持ちの患者専用の病院だったとかで納得。たとえ病気だったとしても、こんな天上の建物で過ごすなら気持ちも安らぐかもしれない、と思ったら、なかには家族に病気でもないのに入院させられた男性がその復讐として、病院にイギリスのサヴィル・ロウから仕立て屋を呼んで高級なスーツを何着も作って財産を密かに食い潰した、とかいう逸話が記事に書いてありました。彼の無念と怨念に乾杯。病院をそのままロケ地にして映画作ったら面白そう。

細かくて小さくて可愛い、いろんなものが詰まった理想の部屋

前述のインテリア雑誌をふんふん見ていて目がギューンと吸い寄せられたのが、フラワー・アーティストのHarriet Parryさんのお家

緑の壁一面に絵が飾られたリビングの赤いソファに座っている女性と寝そべっている犬
わんこ(右のソファ)も気持ち良く寝そべる
緑の壁一面に絵が飾られていてアンティークの木の棚と机が並んでいるリビング
ピンクの壁に白いキャビネットとたくさんの絵がかけられたベッドルーム
スイッチパネルの上に置かれている5体の人間のミニチュア人形
スイッチパネルの上に置かれた極小のフィギュアたち image via The World Of Interior

これぞ、ごちゃごちゃでも愛すべきものたちが集まった居心地のいい部屋の理想型。部屋は自分を反映するものだから、高い家具や高いアンティークをわざわざ買うよりも、近所のリサイクル・ショップやフリーマーケットでいいなと思ったものを買う方が好きだ、というハリエットさんの言葉に、ブンブン頷きました。

こんな素敵な部屋に住んでいる彼女の作品はどんなものなんだろう、と猛烈に気になって調べてみたら

人間の顔や名画を花で再現した斬新なアート作品を作っていて、さらに感嘆させられました。

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