
新しい年を迎えましたが、なんにも変わらず猫ばかり見ていました。
日本画家、長谷川潾二郎の猫の寝顔だけ見ていたい


画家、長谷川潾二郎(はせがわりんじろう)の書いた眠る猫の絵。見ているだけで口元がゆるみ溶けそうになります。可愛い。可愛すぎる。本人が飼っていた猫の太郎(画像左)だそうです。

猫以外の静物画も素敵でした。猫を可愛く描ける画家は何を書いても素晴らしい。
こういう肖像画なら描いてもらいたくなる


セルビアの画家、Vladimir Dunjicの作品で、猫と飼い主のポートレートに目を奪われました。
思わず笑顔になる猫のスケッチ画

Jean Bernard (ジャン・ベルナール)というフランスの画家の1815年の絵です。これも目と口元がとろける。猫の線画をたくさん残していた画家だったようで、とくに目をつぶっていたり寝ていたりするところを盗み描きした作品が多くて微笑ましいです。
どうしてこうなった…な脱力系、中世絵画のなかの猫ちゃんたち




この脱力する猫たちは、中世の絵画に描かれたものだそうで、日本でも浮世絵などに描かれた可愛らしい動物だけをフィーチャーした展覧会あったと思うのですが、それの西洋版です。可愛いというよりは吹き出す系のゆるゆる絵画ですが。
大富豪の正しいお金の使い方

最後は、アメリカの大富豪が飼い猫42匹をオーストリアの画家カール・ケーラーに描かせたという、1891年の作品で、タイトルは「my wife’s lover(妻の恋人)」。この大富豪であるケイト・ジョンソンは350匹の猫を飼っていたという猫狂だそうです。そしてこの絵は3年かけて制作されて、報酬金はなんと2千万円(現代換算)!! なにもかもがスゴイ。金を持った猫好きの狂いっぷりに新年早々笑顔になりました。
小話。年始にクマに襲われた飼い主を犬が守ったという海外ニュースを知って犬は偉いなぁ、なんて思って、フト我が家の猫を見たら目は合ったけどスタスタ遠くへ歩いていきました。そこで思い出したのが大佛次郎の猫随筆「猫のいる日々」の一節。
蝋燭の火を消そうとしたが、風をよけて離れたところに置いてあったから、わざわざ立って行かねばならぬ。蝋燭のそばに猫の一匹が泰然と座っていた。「蝋燭を消すぐらい、してもいいだろう」といったら、妻が笑い出した。「猫はなにもしませんよ」猫は自分のことが話題になったと知って、ちょっと目をあいて、私を見たが、また、すぐ居ねむろうとするように目をつぶって、強くなった外の風と庭木のさわぐ音を夢の中のものに聞くようであった。(「台風記」より)
猫はなにもしないで、そこにいるだけでいいんだった。家のなかでひょっこり出会ったり、目の端にスタタタッと歩いている猫がチラッと見えるだけで幸せなんだった。