いつもの掃除ソングとYou Tubeで密かに流行っている(?)エモいコメント戦争

掃除をしながら聞こうと今回もまた適当に棚からとったCDが、ずっと忘れていたけど当時好きでかなり聴いていたアルバム、Stephen Prinaの「Push Comes To Love」(1999年)でした。信頼のレーベル、Drag City Recordsから出ています。優しくコソコソっと琴線をくすぐる曲ばかりで、掃除の辛さが和らぎました。

Stephen Prina「The Devil, Probably」

You TubeのMVに付けられたコメントがエモい感動話であふれていた

話は変わり、そこまですごくファンというわけではないのですが、ブラーのドキュメンタリー映画が公開(日本公開は来年予定みたいです)というニュースを知って、ひさびさに家にある唯一のブラーのアルバム「13」を聴いていたら「Tender」が本当に名曲で素晴らしかったです。メガネのグレアム推しです。

それはともかくとして、You Tubeで同じアルバムからの「Coffee and TV」のMVを見ていたら、トップのコメントに目がいきました。

ミルクのキャラが可愛いすぎる! Blur 「Coffee And TV」

「9歳の時にMTVでこの曲が流れて、一緒に見ていた両親も気に入って、母親なんか『もう一度見ることはできないの? すごく可愛い!』とまで聞いてくるほどだった。MTVがもう一度流してくれるのを待つしかないよ、とその時は答えるしかなかった。20年以上が経って30歳の僕は今、You Tubeで無料で簡単にこのビデオを見ている。両親はずいぶん前に離婚してしまったけれど、こうした記憶だけはいつまでも残っている」

エモい…。しんみりする…。

前々から気づいていたんですが、You Tubeの一部のMVのコメントが、やたらとエモーショナルで思い出語りがすさまじいことになっていることを。

いくつか例を挙げていきますと、アマゾンで配信していたので見たドキュメンタリー映画「ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロック」の影響で、ちょっと覗いてみたThe Byrdsの名曲「Turn! Turn! Turn!」ではこんなコメントが。

「父はベトナム戦争に従事していて、この曲は軍のラジオ局でよく流れていた。ラジオでこの曲がかかるたびに、父は何も言わなかったけれど、亡くなってしまった戦友のことを想っていたのだろうか」

「Turn! Turn! Turn!」は聖書からの言葉をそのまま歌詞にした曲で、さらにベトナム戦争の反戦歌としても有名なので、このエモいコメントに多くの人が共感していました。

エモいコメントで強烈に私が覚えているのは、前にも書いたこともあるんですけど、Blind Melon の「No Rain」に書かれていたもので、「小さなレストランで働いていたら、7ドルで何か食べることはできるだろうか? と聞いてきた男性がいて、もちろんよ、と答えたら、その男性がBlind MelonのMV出てくる蜂の女の子に私が似ていると言ってくれた。食事を持っていくと、彼は久しぶりに温かい食事を食べたと言って、自分は兵役を務めた後にホームレスになったと打ち明けてくれた。Blind Melonの曲は幸せだった頃を思い出させてくれるとも。彼がどこかで元気でいてくれることを祈っている」

泣く。さっき見たら2万件のいいねがついてました。

あと、ニール・ヤングの「Heart of Gold」には、子供の頃から父親と一緒にニール・ヤングを聴いていて、ある日父から「黄金の心(優しい思いやりのある心の意味)を持つ人を探す代わりに、黄金の心を持ったお前を育てることができた」と言われて、それ以来「Heart of Gold」は親子の曲になったのだけど、今、生命維持装置に繋がれた父の延命処置を止める辛い決断を下し、装置を外すときにこの曲を流した、という読みながら泣いたコメントもあったり、

ジョージ・ハリソンの「My Sweet Lord」には、1965年に生まれ、家族から虐待を受け続けてきて、ついに逃げ出した日の駅のスピーカーからこの曲が流れてきて自由を噛み締めた、というのもあったり、

こうしてみると、基本的に昔の懐メロの曲にエモいコメントが付きがちなのかもしれません。

名曲は、ただいい曲なのではなく、それを聴いた人それぞれの思い出と一緒に名曲になるんだなぁ、などと普通のことを言って終わります(シャレた言い回しがいっさい思いつかなかった)。

Chaka Khan Tiny Desk Concert

おまけはチャカ・カーンのTiny Desk Concertがめちゃくちゃ素晴らしかった。こちらのコメント欄はチャカ・カーンを褒め称えるものばかりで、なかでも「She killed it in the 70’s.Now she’s killing it in her 70’s(彼女は70年代最高だった。今彼女は70代で最高だ)」という洒落たやつが良かったです。

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