振り子で癒しの絵を描く、もう一人の異端のアーティスト、Emma Kunz(エマ・クンツ)

以前、ヒルマ・アフ・クリントという神秘主義に傾倒した抽象絵画を描いたスウェーデン人画家を取り上げたことがあって、できれば日本でも作品が見られる日が来るといいなぁなんて、半分夢みたいに思っていたら、なんと来年の春に東京国立近代美術館で回顧展が決定したとのニュースが! ありがとうございます。駆けつけます。

いわゆる「普通」のアーティストではない異質の芸術家、エマ・クンツ

この勢いに乗って欲張りたいのが、今回紹介したいスイス人アーティスト、Emma Kunz(エマ・クンツ)。ヒルマ・アフ・クリントと比較されることが多くて、私もそこから彼女のことを知ったのですが、彼女の絵もまた抽象的な模様で、やはり神秘的かつ精神世界を主題とした絵を描いていて、共通点が多いです。

image via GALERIE KORNFELD
image via 50 Watts

1892年スイスに生まれ、一度もアートの教育を受けたことがなく、肩書きはヒーラー(!)で、人の放つオーラを読むことが子供の頃からできたと語っていたそうです。振り子(ダウジング)を使って絵を描き始め、1963年に亡くなるまでに500枚もの作品を残したのですが、彼女自身は絵をアートと考えていなくて、ヒーリングの手法のひとつとして患者の治療に使ったり、また形作られる線と色を通して彼女自身が世界を理解する手段にしていたともいわれていて、作品にタイトルもつけていないとか。

また予言とテレパシーに関する本も残していたとか、AION Aと名付けたヒーリング・パワーのある石を用いて治療を行なっていたり、そうとうにスピリチュアル&オカルト畑の人でもあって、ここもヒルマ・アフ・クリントと共通しまくってます。

確かに見ているだけでなんだか気持ちよくなる、トリップ感のある絵だったのは、こうした異質の手法が根底にあったのかぁ、と解説などを読んで納得です。そしてまたしてもオカルト系アートにピピピと吸い寄せられてしまった。

今でいうアウトサイダー・アートの括りになるのかもしれませんが、こういう常軌を逸した、湧き上がる情動とか思念とかで創られる芸術、最高。

Penta」というエマ・クンツの愛称がそのままタイトルになった作品集と(売り切れのところが多いですが)、スイスのビューレンロスに専門の美術館、The Emma Kunz Centreがあります。

こんなアーティスト・グッズは初めて見ました。斬新!

ところでびっくりしたんですが美術館のSHOPコーナーをふんふん見ていたら、前述のパワーストーン、AION Aを使った商品がずらずら出てきて仰天。

こちらはAION Aのパウダーで、39スイスフラン(約6,500円)。ミネラル成分が豊富で特に炎症、リウマチ、筋肉痛などの症状に効くとされて、さらにエマ・クンツによれば凝縮された自然界のパワーで精神面での効果も期待できるとか。ちゃんとスイス医薬品局の認可はあるそうなので、安心して(?)使えるみたいです。パウダー以外にもフェイス&ボディクリームなんかもあります。グッズまで異端を徹底していて素晴らしい。

絵が立体の建築物になりました

image via Helen&Hard

最後にこちらはエマ・クンツの絵からインスパイアされてスイスに建てられたパビリオン。特徴的な色と線が見事に再現されていて、実物見てみたい! 中の雰囲気なども素敵でした(こちらの記事で見れます)。

願っていれば叶うかもしれないので、ぜひ次はエマ・クンツの展覧会お願いします。

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