意外と(?)自分の身の回りにほとんどなかったチェック柄を見直す機会がやってきました。最近楽しく見ているamazonのジェームズ・メイの旅番組「ジェームズ・メイの世界探報」のインド&イタリア編でチラッと登場してきたチェック柄に目を奪われたからです。
インドの爽やか巻きスカート、ルンギ
インド最大のスラム街と呼ばれるムンバイのダラヴィを訪れたときに映り込んだストリートのおっさんの佇まいとファッションが素敵で思わず一時停止。チェック柄の巻きスカートがおしゃれすぎる!
ルンギ(Lungi)と呼ばれる綿素材の腰に巻く布で、通気性がいいので暑い地方で愛用されているそうです。無地かチェック柄が多くて、インドの南部やバングラデシュ、パキスタンなどで広く着られているものです。
モデルさんが着るとハイファッションすぎてビビっちゃいそうですが、誰でも普段着として着ているもので、もうこれからの地球温暖化に備えて日本でもみんな男性は巻きスカート履いてもいいじゃない。
日本でもルンギの布を売っているお店はいろいろあるようで、トートバッグにしたりテーブルクロスにしたりいろんな使い道があるようです。この素朴な質感のチェック柄、いいですね。
スコットランドの国民的お祝い、バーンズ・ナイトでタータンチェック
お次のチェック柄はイタリア、トスカーナ州にあるバルガ(Balga)という、イタリアのなかにまるでスコットランドのような街があるとして番組で訪れたエピソードで知った、バーンズ・ナイト(Burns Night)というお祭り。
1月25日前後にスコットランドの国民的詩人、ロバート・バーンズの誕生日を祝うスコットランドのお祭りで、スコッチウィスキーと伝統料理のハギス(羊の内臓を羊の胃袋に詰めて茹でた料理で好みが激しく分かれる)を食べ、バーンズの詩を朗読する夕食会(バーンズ・サパー)が毎年開かれるそうです。
そしてもちろんドレスコードはキルト(タータンチェック)。
イギリスらしいというか、このお祝いの夕食会には、ちゃんとした手順で進めなければいけない決まり事がかっちりあるそうで、こちらにまとめられていましたが、バグパイプでゲストを迎えて、バーンズの詩を朗読して、ハギスへのナイフ入れの儀式があって、食事と飲み物を楽しんだ後に音楽の催しがあって、またバーンズの偉業を讃えて、その後もなんやかんや続きます。ただのパーティかと思ったら、けっこう大変に儀式ばってて主催者とかストレスで死にそう。
しかし男性も女性もこの日はキルトを着てパーティするのは、傍目から見るぶんにはとってもおしゃれで楽しそう、と無邪気に思いました。
伝統衣装、キルトのトリビア知りたくありませんか?
興味がグングン出てきて、勢いでスコットランドの伝統衣装のキルトについて浅く調べていたら、あのポシェットみたいなものにちゃんとした、Sporran(スポーラン)という正式名称があることを知りました。スカートには当然のことながらポケットが付いていないので、財布や貴重品入れとして、腰から鼠蹊部の前にぶら下げるものなんだそうです。
あと、多分みんな興味あると思う、キルトの下には何も履かないって本当なの? って話なんですけど、ちゃんとした歴史的なルーツもある本当の話だそうで、特に18世紀のハイランド地方の軍の制服だった時代に下着を履かないことが有名で、それが男らしさの象徴となり、今でも「true Scotsman(真のスコットランド人)」として伝統にこだわる人は下着なしでキルトを着るみたいです。とはいえ、最近は下着を履いてキルトを着る人のほうが(理由は衛生的だとか洗濯がしやすいとかいう理由)圧倒的に多いそうですが。あと、もちろん女性もキルトを自由に着られる時代にもなりました。
あと、こんな、「Upskirting ban ‘also protects men in kilts’(盗撮禁止法はキルトを着た男性にも適用される)」という、2018年のBBCの記事を発見。
女性の下着の盗撮を違法化(2年の懲役刑)する法案が英国議会に提出されていて、キルトを着た男性のスカートの中の盗撮も同様の扱いで、「すべての男性と女性の尊厳を守る」と政府報道官が答えたという内容です。2019年に成立したのですが、なんとスコットランドでははるかに早い2009年から盗撮を禁止していたとかで、さすがと思いました。ちなみに日本でも同様の盗撮罪が2023年に成立しています。
今風おしゃれに着たい、老舗キルト専門店のタータンチェックスカート
ところで、なんか下に関する話題ばかりなことに気づきました。最後はおしゃれに終わりたい。
アイルランドのキルト専門ブランド、O’NEIL of DUBLINを初めて知ったのですが、今風に着やすいデザインが多くて、タータンチェックのスカートをなんとなく避けてきた私でもこれはいいかも、と思った次第です。