永久保存したい70年代〜80年代の手作りフライヤー&名刺カード

骸骨、リス、男性の顔とロゴがコラージュされた白黒フライヤー

基本的な考えとして社会のあり方については、今、現在がいちばん最良の状態だと思っているので、「昔は良かった」「昔と比べて今はこう」系の話にはあんまり共感できないんですけど、なくなって欲しくないなぁと思うものもあって、それがいわゆる手作り&DIY精神に通じるものです。

adobeのIllustratorとかスマホのアプリなんかで今や誰でも綺麗なデザイン作れる時代なのはいいことなんだけど、そのいっぽうで便利なツールがなかった時代、切って貼って手で書いて1枚1枚コピーして印刷ズレていくとかしちゃう手作りフライヤーの魅力をどうしても捨てきれません。

80年代アメリカ西海岸のパンク・フライヤーがずらり

最近フラフラして見つけたのは、主にデザインに関する資料をアーカイブする非営利団体のLetterform Archiveが集めていた、1970年〜80年代のアメリカ、西海岸地域のパンクフライヤーのコレクション。

切って貼って書いているのがよくわかるフライヤーの原本
image via Letterform Archive

パンクの精神は「DIY」「can-do」であるからして、手作りの雑な作りのフライヤーやポスターはそのパンク精神と共鳴していると説明文に書かれていました。納得。

他にもいろいろ興味深いことが書いてあって、これらのフライヤーによく登場するライブハウスが3つあって、いちばんがフィリピン系移民が経営していたサンフランシスコのthe Mabuhay Gardensで、最初はフィリピンのバンドしか出演しないクラブだったんですがマルコスの独裁政権が始まってブッキングができなくなって、家賃を払うためにパンクバンドの出演を始めたらどんどん有名になっていったという、以前知ったチャイナタウンのパンクムーブメントと繋がるエピソードが書かれていてワクワクしたのと、シナゴーグ(ユダヤ教の会堂)をライブハウスに改装したThe Templeは、お隣さんがあの恐ろしいカルト集団、ジム・ジョーンズのThe People’s Temple(人民寺院)だったとか、The Farmという自給自足を実践するコミュニティ集団の敷地のなかにライブハウスがあったとか、なかなかの面白い逸話あり。

あと、時代的にレーガン政権下で保守的なムードが高まっているためか、フライヤーの多くは政治的なメッセージも多かったそうで、「Rock Against Reagan(レーガンに反対)」「Rock Against Racism(差別に反対)」というのが80年代パンクの主流のメッセージだったそうです。かっちょいい。

さらに、ハードコア・パンクバンド、MDC(Millions of Dead Cops)がライブでいつも叫ぶお決まりのモットーが「No War / No KKK / No Fascist USA!」で、これをもじってグリーン・デイが「No Trump / No KKK / No Fascist USA!」とライブで叫んでいるとか、知りませんでした。迫る大統領選挙、一体どうなるんでしょうか。

アマチュア無線仲間が手作りした名刺カードの素朴さに惹かれる

「Eyeball Cards: The Art of British CB Radio Culture」William Hogan著
image via amazon
image via It’s Nice That

こちらは1970年代後半から80年代初めにかけてイギリスで一時期ブームになっていた、CB radio(British Citizens Band Radio)という無線ラジオを通じて交流していた人々が作っていた名刺カード、Eyeball Cardsをまとめた写真集「Eyeball Cards: The Art of British CB Radio Culture」から。

インターネット登場以前の時代に、無線を通じて見知らぬ人々が出会ってサークルを作り、いわゆるオフ会を開催したときに自分を紹介する名刺を作って渡していたそうで、ハンドル名と自分を表すアバターのようなイラストと住んでいる地域が書かれているだけのシンプルで素朴なんだけど、なんか可愛いデザインのカードが多くてワクワクしちゃいました。

eyeballっていうのはアマチュア無線用語で、実際に会うことを、目と目を直接交わすのでアイボール・ミーティングというそうです。洒落てる。

洗練されていなくて雑でテキトーなんだけど魅力的な手作りデザイン、なくならないといいな。

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