かつて難民、アメリカのドーナツ王になった男のドキュメンタリー「ドーナツキング」と、ちょこっとドーナツ

イラストで書かれた映画「ドーナツキング」の宣伝ポスター

最近めっきり食べなくなったもの(といいながら昔もそんなに食べてたわけじゃないですが)のひとつにドーナツがあるんですけど、たまたま見たドキュメンタリー映画「ドーナツキング」が面白すぎて、猛烈にドーナツ熱が盛り上がってきました。コーヒーとドーナツの誘惑に抗えません。

カンボジア難民がアメリカンドリームを叶えたドキュメンタリー映画「ドーナツキング」

ドーナツに囲まれたスーツ姿の男性の絵の映画「ドーナツキング」のポスター
「ドーナツキング」(2022年)アリス・グ監督
天使の羽の壁画の前でドーナツを持って笑っている男性
こちらがドーナツ王のテッド・ノイさん

1975年にカンボジア内戦から逃れ、アメリカ、カリフォルニア州に難民としてやってきたテッド・ノイさんは、ある日出会った24時間営業のドーナツ屋でドーナツを食べてその虜になり、ドーナツ店で修行を積んだ後に自らの店を立ち上げ大成功。アメリカにいる多くのカンボジア難民たちによるドーナツ店のチェーン経営にも乗り出し、またまた大成功を収めて「ドーナツ王」の名前を戴く大富豪になった人物のお話です。

アメリカ西海岸のドーナツ店の8割〜9割がカンボジア系移民が経営しているとか、映画やドラマでも頻繁に見るドーナツの箱の色がなんでピンク色なのか、あの巨大チェーン、ダンキンドーナツ対個人経営店の激闘とか、主人公テッド・ノイさんの人生も突然「え、マジで!?」と驚く紆余曲折があったり、知らなかったいろんなドラマがありすぎてお腹いっぱいになるし、全体的にとってもチャーミングなお話が多くて、語彙力なさすぎてこれしか思いつきませんでしたが、「なんかいいなぁ」って作品。

そして何度も映画の中で繰り返されるのは、難民、移民こそがアメリカの文化を支え豊かにしていっているのだ、というメッセージでした。素敵な後味を残す映画です。

映画に登場したカンボジア人の家族経営ドーナツ店、DK’S DONUTS&BAKERY

ドーナツ店の外観
たくさんのドーナツが並んだガラスのショウケース
image via yelp

こちらは映画の中で出てきたカンボジア難民が経営している人気ドーナツ店、DK’S DONUTS&BAKERY。24時間無休で(ひえ〜!)家族経営の典型的なお店で、すっかりアメリカ人になった娘さんが文句を言いながらも(子供の頃の労働条件は確かにヤバい)、SNSを駆使してローカルの人はもちろん若い人たちにも大人気のお店にしていってるみたいですごい。

あとこの駐車場があって、けっしておしゃれバリバリじゃなくて、ちょっと垢抜けないくらいのローカルなドーナツ店、いい! 近所にあったら通って糖尿病になるかもしれない。

日本はいつの間にかドーナツ大国になっていた

ハグジードーナツ image via BRUTUS

食のブームにも疎いので、いつの間にやら日本にもドーナツ専門店がわんさかできているということを最近まで知りませんでした。2022年9月に出たBRUTUSのドーナツ特集号をいまごろ見つけたのですが、どのお店もおいしそうだし、おしゃれが眩しい。

そういえば記事に出ている聖蹟桜ヶ丘のハグジードーナツは、数年前に偶然通りがかったことがあったものの行列にやる気をくじかれて素通りした記憶がよみがえりました。あとよく行く駅にあった「はらドーナッツ」のシンプル&素朴なドーナツ好きだったのでたまに買っていたものの、ある日閉店していてガックリしました。なんか素敵エピソードぜんぜんドーナツになくてすみません。

アメリカの食品自動販売機レストラン、Automat(オートマット)

ケーキの自動販売機の前に立っているスーツ姿の男性

アメリカのフィラデルフィアとニューヨークに1902年オープンして1991年に閉店した、食品を自動販売機のみで提供するレストラン、Automat(オートマット)についてのドキュメンタリー映画「The Automat」(2021年)があることを知りました。未来的なシステムと安くておいしいコーヒーが大人気で、当時多くのファンがいたみたいで、そのなかの一人にスタバの創業者がいて、このオートマットに魅了されて「俺のやりたいことが見つかった!」とスタバを始めるきっかけになったとか。

オートマットのコーヒーは赤字すれすれの激安価格(5セント)で提供していたと言われていて、スタバの社長もオートマットに影響されているんなら、初心を思い出してスタバのコーヒーの値段のことも顧みてほしい、なんて。

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