
最近見終えたばかりのドラマ「マーベラス・ミセス・メイゼル」の最終話のラストに流れた曲がなかなか良くて、誰のなんの曲なんだろう? と調べたら、Tegan and Sara(ティーガン&サラ)というカナダの女性デュオによる「Girls Talk」という曲でした。
「Girls Talk」にまつわるルーツ話
キャッチーで覚えやすいメロディのポップソングで、ガールズトークについて歌っているなんて、ドラマの最後にぴったりすぎて、てっきり書き下ろしの曲なのかなぁと思っていたら、なんとカバーソングで、ウェールズ出身のパブロックミュージシャン、Dave Edmunds(デイヴ・エドモンズ)が1979年リリースしたアルバム「Repeat When Necessary」のなかからのシングル曲でした。しかも曲はエルヴィス・コステロが書いていました。
あくまでwiki情報なんですけど、エルヴィス・コステロが「お前にやるよ」といってくれたカセットに入っていた最初のデモをデイヴ・エドモンズ自身はあまり気に入ってなくて、エドモンズがアレンジを入れて良くなったんだ、とかいうエピソードが書かれていて、コステロ自身がこの曲を歌ったバージョンもあって探して聴いてみたら、もっとスカっぽい雰囲気でコステロ節が全面に出ていて、たしかに好みが分かれるかもしれない。
エルヴィス・コステロの知らなくてもいい小ネタ
そして恒例の「あの人今なにしてるんだろう…」シリーズ。エルヴィス・コステロの近況を見に行ってみたら現在に至るまで精力的に音楽活動続けていて、ツアーには出るわアルバムもバンバン(ほぼ2,3年おき)出すわ、めちゃくちゃ元気な69歳でした。すごい。
個人的にはすごいファンというわけではないのですが、ファーストアルバム「My Aim Is True」(1977年)は好きで、紙ジャケのCDよく聴いていたなぁ。2ndアルバムからの曲「Pump It Up」のリマスターがUpされていたんですけど(上)、久々に聴くとかっちょいい。
そしてここからが、多分これを読んでくれている人全員にとって今日いちばん人生になんの影響も与えない情報になると思うのですが、コステロさんのwiki読んでいたら、1981年公開のドキュメンタリー映画「The Animals Film」(日本未公開と思われます)を見て以来、肉を食べることをやめて、Pescetarian(ペスクタリアン、魚菜食主義者)になったと書かれています。え、ベジタリアンじゃなくて?
Pescetarianism(ペスカタリアニズム)という、野菜と魚介類を食べるという準菜食主義というものがあって、1870年頃から存在するみたいですが、ベジタリアン(完全菜食主義)の人たちからは「あんなのベジタリアンの一種じゃない」と蔑まれているようで。まあわかります。ベジタリアンのなかにも乳製品や卵を食べる食べない問題があったりするとか、人類最初のベジタリアンはピタゴラスなんじゃないかとか、肉食を禁止した法令を初めて出したのは日本の天武天皇だとか、雑学がいろいろ出てきました。

なんで肉がダメで魚ならオッケーなのかの考えは私にはちょっとわからないですが、そんなペスクタリアンのコステロさんが、2013年にポール・マッカートニーと一緒に、ポールのパートナーの故リンダ・マッカートニーがプロデュースするベジタリアン食品ブランド、Linda McCartney Foodsの広告キャンペーンを手伝ったりしていたそうです。魚食べてるやんけ! と怒られなかったのかな…といらぬ憶測をしてしまいましたが、ポール・マッカートニーはあまり人に強要しないタイプの人だそうなので安心しました。
そういえば昔(大昔ともいう)私もロンドンで興味本位でベジタリアンサンドイッチを頼んだことがあって、「日本人がベジタリアンメニュー頼むなんて」と驚かれたことを思い出しました。捕鯨国として名を轟かせていた時代(今もか)というのもあってか、珍しい生き物みたいに見られたけど、その時は思わずベジタリアンでもないのに頼んでごめん、と恐縮したけれど、みんな食べたいものを好きに食べるのがいいと思う。
エルヴィス・コステロがペスクタリアンという、「そうなんだぁ」以上の感想が出ない、中身のない話で失礼しました。
アイキャッチ画像:リイシューされたデイヴ・エドモンズのアルバム「Repeat When Necessary」 image via 7a Records