集中力がもはや数分単位でしか持たないことが増えてきて、ついつい気晴らしに笑うか〜と向かってしまう先はいつもの巨大ソーシャルネットRedditのおふざけスレッドなんですが、そこで最近「すご〜い!」と驚いた画像に予想外の知的好奇心が繋がったお話。

獣医さんにお腹の毛を剃られた猫ちゃん。新しい生物が生まれている…。で、この画像を投稿した人がつけたタイトルに「Exquisite Corpseのゲームみたいに見える!」と書いてあって、Exquisite Corpseとは? と調べたら、複数のアーティストがお互いの制作を知らない状態で、自分の担当する部分だけを仕上げて一つの作品を作り上げるアートの手法のことで、シュルレアリスムの一種なんだとか。し、知らなかった。
シュルレアリストたちのゲーム、優美な死骸
しっかり美術館に所蔵されていたり、最近でも展覧会が開かれていたりするちゃんとしたアートジャンルだと知って、またひとつ知識が増えたとニヤリとしました。


チャップマン・ブラザーズと呼ばれるロンドン出身の兄弟アーティスト、ジェイクとディノス・チャップマンの作品。


元祖シュルレアリスト、マン・レイ、ジョアン・ミロ、アンドレ・ブルトン、イヴ・タンギー、マックス・モリーズらの作品。




2020年に開催されたExquisite Corpseをテーマにしたグループ展からの作品 image via Conduit Gallery
もともとは20世紀フランスのシュルレアリストたちの間で流行ったゲームで、le cadavre exquis(優美な死骸)と呼ばれ、1枚の紙を折ってお互いの作品を見えないようにして、複数人で自由に絵を描いて一つの作品にして、出来上がった奇想天外なアートを楽しむものだったようです。絵だけじゃなく、詩なんかもこの手法で制作していたそうで。そのゲームで初めて出来上がった詩「Le cadavre exquis boira le vin nouveau(The exquisite corpse shall drink the new wine)」から名前が付けられたそうです。
国立国際美術館のサイトには家庭でシュルレアリスムを楽しもうみたいなHow To載っていました。子供とかに自由に描かせたりすると楽しそう。そしてシュルレアリスムの世界に引き摺り込んで、最終的に「アンダルシアの犬」を見て人生のターニングポイントを迎える未来が見える…!
優美な死骸に見えるかもしれない面白画像
話は元に戻って私が暇つぶしに楽しみに見ているRedditの「Confusing Perspectives(紛らわしい構図)」が、こうしてみると優美な死骸ゲームに見えてくる…ような気がします。


最後はテーマからは外れますが、見た瞬間わかった瞬間吹き出した画像。
