絵本作家ジュディス・カーとねこのモグ、とねこ

キッチンから窓の外に出ようとする男の子と猫のイラスト

たまたま目にした肖像写真があまりに素敵すぎて、誰、誰〜!?と夢中になって調べたら、イギリスの今は亡き絵本作家のJudith Kerr(ジュディス・カー)さんでした。代表作に「おちゃのじかんにきたとら」「わすれんぼうのねこ モグ」などがあり、2019年に95歳で他界するまでに数多くの作品を残し世界的にも人気の絵本作家です。

一目惚れした写真がコチラ(画像上)。2019年に自宅で飼い猫のKatinkaと一緒に撮ったジュディス・カーのポートレートです。最初見たとき完成度が高すぎて絵かと思ったくらい、素敵が詰まりすぎていて息が止まりました。

「おちゃのじかんにきたとら」絵本の表紙
「おちゃのじかんにきたとら」(童話館出版)
家にやってきてお茶会に出る虎の絵
とつぜん家にトラがやってきてお茶の時間を一緒に過ごす物語
「わすれんぼうのねこモグ」絵本の表紙
「わすれんぼうのねこ モグ」(あすなろ書房)
男の子に寄り添う猫のイラスト
ねこのモグはシリーズ化して全20作あります
猫と少女が描かれた絵本のなかのページ
ねこのモグと飼い主のトーマス一家との日常を描いた物語

1923年にドイツで生まれ、9歳のときにナチスの迫害から逃れてイギリスへと移住してきたそうで、そのことを書いた自伝小説「ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ」が2020年に映画化もされているとはまったく知らなくて、いつか見てみたいと思いましたが、なんといってもイギリスでは、ねこのモグの絵本シリーズがとにかく国民的に有名。2015年にスーパーマーケットのSainsbury’s(セインズベリー)がコラボして発売したモグのぬいぐるみ&絵本が当時どえらい人気商品になって売り切れ続出したぐらいで、オークションサイトで高値がついている、というニュース見つけました。

猫のぬいぐるみとモデルになった絵本
image via Daily Mail

こちらが(画像上)そのぬいぐるみで、10ポンド(約1,700円)で販売していたものが、なんと35ポンド(約6,000円!)の値でオークションサイトに出されていたとか。確かにちょっと可愛いかも…。ぬいぐるみと絵本の売り上げは子供支援団体セーブ・ザ・チルドレンに寄付される仕組みになっていたそうなので、オークションで高値をつけるのはなんだかなぁ。

たくさんの色鉛筆のあるデスクに座っている白髪の女性と虎のぬいぐるみ
仕事部屋の風景 image via Country Living
白いテーブルでお茶を飲む老婦人
白と黄色のレトロなキッチン
image via The Guardian

自宅にある真っ白な仕事部屋でのインタビュー記事が多く見つかったのですが、なかでも絵本に描かれているキッチンが自宅のものをそのまま描いたもので、いまでもそっくり同じままで残っているのを取材したガーディアンの記事「On the prowl: inside the home of the author of The Tiger Who Came To Tea」良かったなぁ。

家の家具を選ぶ際に大事にしているのは、長持ちすることと実用性、と語っていて、古いものも大事に使って、いいものだからちゃんと長持ちしてるし、必要以上に飾りたてず最適なバランスで心地いい部屋を作っている雰囲気がビンビン伝わってくる! 「they’re lovely as they are(そのままで素敵なのよ)」という言葉そのままのインテリア、最高です。初めて買った家具はなんですか? という質問にはみんなの憧れ「アーコールチェア」と答えていますが、「58年前に買ったときは安かったのよ!」とチャーミングな付け足しがあって、思わず笑顔になりました。

絵を描く女性と見つめる猫
image via The Telegraph

最後の1枚は、モグのモデルになったねこと一緒の写真。ジュディスさんが仕事をしていると必ず邪魔しにきたそうです。

「幸せ」という言葉の定義に、知らない間にねこがすぐ横に来ていた、もしくは視界を遮るレベルで邪魔をしにくるねこ、という例文を辞書に入れてもいいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください