いつまでも残したい小さなもの

「bored」レコードジャケット

何周回遅れなんですかい、という心の中のツッコミはちゃんと聞こえていますが、とにかく今頃「いいね、これ!」と興奮したのが台湾ミュージック。大昔に台湾インディーシーンがいいよ〜というウェブ記事を読んだことはあったのですが、ちゃんと追っかけていなくて、突如降ってきたのがこの曲。

遅れてやってきたブーム、台湾ミュージックシーン

洪申豪 「關於海的民謠」

なんと8年前の曲。休日の昼間に聴きたい。Hom Shenhaoと読むみたいで(繁体字が読めなくてすいません)、台湾のインディーシーンを代表するアーティストのお一人だったようです。納得。そしてPAR STOREというショップもやっていて、覗いてみたらあら素敵。音楽以外にも洋服や本も売っていて、音から想像したとおりのナイスセンスが溢れ出てました。

3人の仙人がプリントされたスウェット
仙人がバンド組んでるチャーミングなスウェットは形も可愛い image via PAR STORE
カーキ色のアノラックを着た女性
やはりバンドはアノラック着るでしょ! ということでオリジナルのアノラックも犬のイラストで可愛らしい image via PAR STORE

台北に店舗があるので、台湾旅行する方がいたらぜひ寄ってみてはいかがでしょうか。

FUBAR樂隊 「豔紅」
LINION 「Oh Girl」

そんなわけでここ数日の浅すぎる台湾音楽巡りで気に入ったミュージシャンです。数年前に台湾行ったときは、どメジャーな観光地しか周れなかったけれど、今度行くことがあればレコード屋なんかでいろいろ探してみたい欲が高まりました! まあ、ネットでも聴けるんですけどね…。海外でよくわからずジャケ買い(死語)して当たりが出るときとかあったんですよ。あと大昔にロンドンのフリマで古着買ったらなぜかボサノバのコンピCD(多分勝手に選曲して勝手にCDにしたっぽいけど時効なんで許してください)もらって、それがめちゃくちゃいい選曲だったりして、偶然の楽しさが発生する可能性、まだあるといいなぁ。

アノラックサウンドの元祖、ザ・パステルズとグラスゴー

で、話は戻り、PAR STOREにアノラックが売っていて、思い起こさずにはいられないノスタルジー、アノラックサウンドというやつを。80年代にグラスゴーを中心に盛り上がったネオアコバンドがよく着ていたアノラックから由来してるんですが、やっぱりザ・パステルズを思い出さずにはいられませんでした。

好きすぎて聴きながら泣く1曲 the pastels 「Thank You for Being You」
幸せな気分になります。The Pastels「Check My Heart」
「check my heart」レコードジャケット
このジャケットとても素敵。同じグラスゴーのアーティストAnnabel Wrightさんの作品
最近リリースされたソニック・ユースとのスプリットシングルでニューヨークドールズのカバー!

懐かしくてパステルズの最近をネットで調べていて出会った記事が、Glasgow Music Walking Toursというグラスゴーの街を音楽をテーマにして周るウォーキングツアー(参加してみたい!)のブログで「COP26 Stephen McRobbie of The Pastels on Barrowland Park」というもので、昨年COP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)が開催された都市がグラスゴーで、それにちなんで、グラスゴーにある小さな公園Barrowland Parkを守り残していこうという運動について、パステルズのスティーヴンにコメントを求めたものです。

barrowland parkの以前の荒れた風景
Barrowland Parkの以前の荒廃した姿
barrowland parkの風景
現在のBarrowland Parkで真ん中にJim Lambieのアートで作られた歩道があります image via Glasgow Music City Tours

荒れ放題だった空き地をコミュニティのための公園に生まれ変わらせたのは約8年前のことで、真ん中にはグラスゴーのアーティスト、Jim Lambieによる、the Barrowland Park Album PathwayというグラスゴーにあるライブハウスBarrowland Ballroomでライブをしたアーティストの名前と日付を、アルバムレコードの背表紙のようにズラリと配置したアートで、歩道として好きにみんなが歩けるようになっているそうです。

しかしこの公園どうやら一時的なものらしく、近く新たな都市計画とともに消えてしまうかもしれない危機に瀕しているとかで、コミュニティの住人を始め公園を愛している人々が存続を求めてキャンペーンを開始。COP26という世界規模で気候変動や自然保護について考える絶好の機会を迎えて、スティーヴンが出したコメントは(一部抜粋)、

“Sometimes it’s too easy to take for granted the small things that make life better. New projects can seem more eye catching, particularly so at a time when the world is looking at Glasgow for something hopeful”(人生をより良くしてくれるような小さなものを当たり前のものだと時に思いがちです。新しいプロジェクトはより魅力的に見えるでしょう。世界がグラスゴーになにか希望に満ちたものを求めて見ている今は特に)

“it would be great to see Glasgow City Council embrace it and show a little love with the relatively small investment it would take to fix it up and ensure its future”(グラスゴー市議会が公園を容認し、修繕と将来を保証するための比較的少額の投資というほんの少しの愛を示してくれればどんなに素晴らしいことでしょう)

これまたグラスゴー出身のプライマル・スクリームのボビー・ギレスピーも、この公園の保護に関わっているそうで、音楽の街、グラスゴーを象徴するようなアートを有した小さな公園をみんなで守ろうという働きにちょっと感動しました。

日本でも都市開発と称してさまざまな場所で消えていってしまう小さな場所があると思うんですが、スティーヴンのいう「小さくても人生をより良くしてくれるもの」は失くしたくないなぁ。

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