森を彷徨う女性
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魔女を扱った古典映画と魔女狩り

前々から見たいなぁ〜と思っていた魔女がテーマのサイレント映画「HAXAN 魔女」(1922年)をついに見たのですが、最初ジャケット写真だけで想像していた魔女と悪魔のサバトの狂乱ホラーが見れる! なんて下品な期待をしていた私を平手打ちするような衝撃の感動を味わうことになるとは夢にも思わなかった素晴らしい作品で震えが止まりません。

映画「HAXAN」ジャケット写真
赤ちゃんを手にする悪魔
鍋をかき混ぜる老女

スウェーデン人のベンヤミン・クリステンセンが監督したこのサイレント映画は、歴史上魔女がどのように現れ扱われてきたのかを学術的に解説する前半部分と、後半は魔女が行なっていたとされる魔術やサバト(悪魔崇拝の集会)、そして魔女裁判をドラマで再現するユニークな作りで、最初ただのホラー映画だと思ってた浅はかな自分としては、あれ?なんか思ってたのと違う…と面くらいつつも、次第にふむふむと見入ってしまったのには、めちゃくちゃリアルかつ美しいビジュアルの力。悪魔はほんとうに怖いし、魔術の風景はほんとうに幻想的で、私の大好きな怖さと美しさの共存が素晴らしくよくできていて大興奮。

しかしほんとうに衝撃を受けたのは、映画の最後に向かうにつれて語られていく、魔女として断罪されてきた多くの女性は、ヒステリーや精神的な疾患を抱え、社会の偏見や差別にさらされてきた人々だったのだ、というメッセージ。なんかついオカルト的なものに惹かれてしまうんですが(映画とか文学とか)、やはりそうした迷信や偏見が生み出した負の歴史もセットになってるんだってことは忘れないようにしたい。

というわけで、魔女に多少なりとも興味がある方にはかなりオススメです。魔女の歴史をオカルティックな美しさで堪能しつつ、しっかり教訓も学べるという、2倍3倍美味しい内容。

そんなこんなで魔女裁判について浅〜く調べていたら見つかったのが、

木の上で手を広げる女性の像
火刑の薪の上に手を広げて座る女性の像
image via kiki smith

Woman on Pyre(薪の上の女性)とタイトルがつけられたKiki Smithの作品で、火刑にされる魔女がモチーフになってます。実際に魔女裁判が行われた場所にこの作品を展示してほしいと本人は言っているそうで、もちろん犠牲となった女性のために作られた作品だそうです。

あと、こんな「Last Salem ‘witch’ pardoned 329 years after she was wrongly convicted」記事も見つけちゃって、有名なセイラム魔女裁判で魔女として死刑宣告を受けた女性が329年を経て無罪が公的に証明され、これでセイラム魔女裁判の魔女たちすべての冤罪が晴らされたという内容です。これが2022年5月の話というから驚きましたが、ちゃんと法廷で再審理したという、アメリカの人道に対する高い意識にもちょっと感心しました。

女性を抱く男性
魔女の格好をしたヴェロニカ・レイク

最後は1942年の映画「奥様は魔女(I Married A Witch)」。あのTVシリーズより前に作られたフランスの巨匠ルネ・クレール監督作品。お馴染みのセイラムで火炙りにされた魔法使いと魔女が人間に復讐するために灰から蘇って騒動を引き起こすラブコメディで、魔女役のヴェロニカ・レイクがとにかく綺麗で妖艶で可愛いんですよ。お話もずっとニコニコして見ていられるようなチャーミングなもので、魔女もの映画として外せない1本。あと、ハロウィンに、このとんがり帽子の魔女コスプレをオススメしたい。

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