
ネイティヴアメリカンのビンテージモカシン
毎日暑い最中にちょっと季節外れな話題で申し訳ありませんが、ネイティブアメリカンが伝統的に履いているモカシンのビンテージものが素晴らしすぎて調べる手が止まりませんでした。モカシンというとスエード革でスポッと履く楽ちん靴のイメージですが、もともと北部アメリカの原住民たちが1枚の革をぐるっと足に巻いて履く、柔らかくて丈夫で夏涼しく冬暖かいという履き物のことで、構造はとても素朴なのに、ビーズ刺繍やリボンなどの装飾が施されて華やかで手の込んだ芸術作品にまでなっていて、見惚れてしまう〜。


カナダの先住民ヒューロン族とアメリカ南東部のクリーク族の1800年代のモカシン。今現在のモカシンからくるイメージとまったく違う〜。縫い目がほとんどなくて、足首のあたりが襟のように折り返す仕様になっていることが多くて、寝かせたり、立ててリボンを巻いて防寒するように履いたりしていたそうです。


どちらも1900年代のアメリカ南東部のシャイアン族のモカシン。ビーズ刺繍が贅沢に施されていて、今でも十分履けるデザイン!


こちらはネイティブアメリカンの工芸品を扱うSHOPで売られている現代もの。現代風に履きやすくなっていて、デザインは伝統的なものを受け継いでいていいバランス。欲しい。下のシンプルなビーズ刺繍バージョンは子供用だそうです。可愛い。

こちらはチェロキー族のモカシンを現在でも作っているSHOPから。足首のストラップぐるぐるを解くと折り返して襟のように履ける2ウェイの伝統的なデザイン。好みの色の皮で作ってくれるそうです。お値段3万3千円〜。




カナダのウィンタートラベル専門店で扱っているモカシンのDIYセット。膝下全部カバーしてくれるブーツタイプのモカシンで、各パーツ選ぶことができて、革の種類や色はもちろんファーを付けたり、リボンや飾りのトリムレースもいろいろ選べて自分だけのモカシンができちゃいます(しかし簡単に作れるかどうかは腕次第)。

モカシン調べていたらこんな記事を発見。「Indigenous Producer Says He Was ‘Treated Like a Criminal’ for Wearing Moccasins on Cannes Red Carpet(カンヌのレッドカーペットでモカシンを履いて行ったらまるで犯罪者かのように扱われた先住民のプロデューサー)」という、カンヌ映画祭でプレミア公開された映画のプロデューサーでカナダ先住民族のKelvin Redversさんが、レッドカーペットにモカシンを履いていったら警備員に止められて、靴を履き替えてくるようにかなり威圧的に言われたという事件があったそうです。なんとまぁ。どうやらカンヌはドレスコードが相当厳しいみたいで過去にもいろいろ騒動あったそうですが、Kelvinさんは自分のルーツを表現する伝統的な正装を考えてモカシンを選んだのに、カンヌは白人の考える西洋的な正装しか許さないことにがっかりしたと言っていて、確かにと思った次第。

最後はモカシンといえばのミネトンカから。伝統的なモカシンとは変わってきてるけど、やっぱりこれはこれで可愛いな。

