
アートと聞くとついつい絵画やグラフィックをイメージしますけど、じつは切っても切れない関係にあるのがクラフト(手芸、工芸)。個人的な好みなのかもしれませんが、衝動的に好きになるアーティストがクラフト系も充実してることが多くて、最近出会ったSophie Taeuber-Arp(ゾフィー・トイバー=アルプ)の織物を中心としたクラフトアートにうっとりです。




1889年にスイスで生まれ、ドイツで芸術を学び、夫のジョン・アルプと共にスイスのダダイズムの中心的存在として活躍。テキスタイルデザインをスイスの芸術大学で教えたり、劇場公演のためのあやつり人形を作ったり、ファインアートとクラフトデザインを区別する歴史的な境界線を無くそうと常に活躍していた(紹介文の丸写し)アーティストだったそうです。スイスでは紙幣に描かれたり、抽象美術の最重要人物の一人といわれる相当に有名な方なんだそうですが、アートの歴史に無知で最近まで知らなくて本当に申し訳ない気持ちになるくらい、作品素晴らしかった。



クッションカバーやラグなどの織物。今すぐ家に欲しい。



こんなビーズ編みのバッグやアクセサリーもあります。こうして見てみると、彼女の絵画がそのまま再現されていて、絵とクラフトはほんとうに一体なんだなぁと実感できます。

こちらは個人宅用にデザインしたステンドグラスだそうで、見たときモンドリアン!? と思ったのですが、ゾフィーさんはモンドリアンと並んで最初の抽象絵画を始めた重要人物の一人だったとバイオグラフィーに書いてあり、恥入りました。

ダンスや振り付けもしていたり、舞台芸術にもその才能は発揮されていて、これは1918年にチューリッヒにできたパペット劇場のこけら落とし公演用に作られたあやつり人形のひとつ。他にも16体くらいあって、当時とても評判を呼んで彼女の名前を有名にしたとか。モダンで可愛い。

2021年にテートモダン、2022年にMoMAで彼女の展覧会「Sophie Taeuber-Arp: Living Abstraction」が開かれていたようで、来年あたり日本でもぜひお願いします。