
大人のためのドールハウス
ある日、you tubeからおススメされた「The Dutch Golden Age in Miniature(オランダ黄金時代のミニチュア)」という動画をほいほい見てみたら、17世紀のオランダで作られていたドールハウスの解説をするボストン美術館の動画でした。


ちょっと小さすぎてわかりにくいかもしれませんが、驚異の精巧さで作られたドールハウスで口あんぐりです。このオランダ黄金時代に作られたドールハウスで現存しているのはわずか5つくらいだと言ってましたが、その貴重な1つがボストン美術館にあるそうです。
ドールハウスと聞くと、子供のための遊び道具とつい思いがちですが、この時代のドールハウスは大人の女性の嫁入り道具として贈られていて、さらには富の象徴としても使われていて、金持ちのみせびらかし要素も強かったそうで。日本でいえばやたら豪華な雛人形とかそういう感じなんでしょうか。無垢で可愛いはずのお人形の世界が、醜い富のマウント合戦に使われていたと思うとなんとも…。
この17世紀オランダのドールハウスを主題にしたBBCのドラマ「ミニチュア作家」というものが存在することも知りましたが、見てみたい。
こういったおもちゃじゃないドールハウスは、以前犯罪捜査用のやつ紹介したことがありますけど、さらにまた見つけたのが、

アメリカ人アーティスト、Miriam Schapiroの作品。彼女は女性のものとされてきた手芸をハイアートとして再構築した先駆者として知られているそうで、日本の着物をキルトのように幾何学的にコラージュした扇の作品が有名。


また1972年にフェミニズムを主題とした初めてのアートプログラムとなる「Womanhouse」をJudy Chicagoと企画し、芸術を通して女性の自己を確立するフェミニズム活動家でもあったそうです。そのWomanhouse展示のときに作られたのが先ほどのドールハウス。芸術の評価の枠外に置かれてきた女性の手工業を作品のモチーフとし、コラージュする手法をfemmages(女性とコラージュの造語)と名付けていたそうです。めちゃスゴイ人でした。






布を切り貼りしたコラージュや幾何学的な絵画や抽象画やフォークロアな絵画まで、才能があふれ出てる~~。

