年末年始は音量爆上げにして気分も爆上げになる音楽映画ばかり見てました。なぜかamazonプライムにはけっこう音楽ものが配信されていて、これもあるの!?と驚くぐらい豊富なラインナップなのでぜひ。そんななかで私が興奮して見ていたのは、
「ビーツ、ライムズ・アンド・ライフ:ア・トライブ・コールド・クエストの旅」(2011年)
ア・トライブ・コールド・クエストの結成から再結成までの道のり、そしてQティップとファイフの愛憎入り混じる確執の真相までを捉えたドキュメンタリー。音楽は好きで聴いていたけど、メンバー間のいざこざとかよく知らなかった私のような浅いファンからすると人間関係のガチンコな衝突っぷりが赤裸々に描かれてて驚愕しました。距離が近すぎるゆえに衝突するQティップとファイフに何度も「そうじゃない、そういうこと言うんじゃな~い」と(主にQティップ対してだけど)突っ込みながら男二人の友情の行く末をハラハラして見てました。もちろんトライブのかっこ良すぎる音楽のルーツや代表曲ができあがるまでの奇跡のような瞬間とかもたっぷりと見られて最高。しかしQティップの天才ゆえの空気の読めなさ&完璧主義の冷徹さが笑えるくらいにスゴイので(褒めている)、周りに天才肌の人がいて苦労している人は特に共感しまくりで見れて楽しい(のか?)のではないでしょうか。
「CRASS :ゼア・イズ・ノー・オーソリティ・バット・ユアセルフ」(2014年)
イギリスのパンクバンドCRASSのバンド結成から解散後の現在のメンバーの姿まで追ったドキュメンタリー。政治的なアナーキー精神と哲学を持って、志を共にする仲間と自給自足の生活を今でもしている彼らの姿は、持続可能な社会を理想とする現代の若者にもすんなり受け入れられるのでは。レコードやフライヤーを自分たちでグラフィティやって刷って貼っての完全なるDIY精神は、インディー魂の好きな人には直球で刺さるはず。there is no authority but yourselfというタイトルの、自分のみが自己を決定できるというメッセージに心動かされた人は見てみると何か残るのではないでしょうか。
「フガジ:インストゥルメント」(2018年)
アメリカのハードコアバンド、フガジのドキュメンタリー作品で、ほとんどステージ演奏とインタビューの映像で構成された硬派な作品。余計な雑音一切ないのでフガジの音楽にどっぷりハマりたい人には最高なやつです。荒々しい生な質感の映像がたんまりで当時の雰囲気を味わいたい人にも。爆音で。
「ロケットマン」(2019年)タロン・エガートン主演 デクスター・フレッチャー監督
エルトン・ジョンの幼少期からデビューそして世界的大スターになるまでの半生を映画化。予想外に良かった。陳腐な言い方ですけど、人生に光と愛を見つける物語をファンタジーミュージカルとして描いていて、私もキラキラに包まれました。同年度に公開されたクイーンの映画「ボヘミアン・ラプソディ」の影に埋もれがちなのはもったいない。私はこっちのほうが好きです。
「野良猫ロック ワイルドジャンボ」(1970年)「野良猫ロック マシン・アニマル」(1970年)「野良猫ロック セックスハンター」(1970年) 梶芽衣子主演 藤田敏八、長谷部安春監督
品行不良、暴力上等、公序良俗おかまいなしの不良少女グループが男社会、そして不正義に立ち向かうシリーズ。ずいぶん前に1作見たきりだったのが、amazonプライムにど~んとそろっていて一挙に見たら最高でした~。主演の梶芽衣子さまがとにかくしびれる美しさ&かっこ良さ。震える。そこに和製ブルース&ロックがかかりまくってドライブ感最高潮。70年代らしい社会問題を盛り込んだ哀しく世知辛い物語にもしんみり。個人的にナンバーワンなのは2作目の「マシン・アニマル」で、絵がめちゃくちゃスタイリッシュで、「フレンチ・コネクション」とかあのへんのアメリカンニューシネマに匹敵するレベルのクールさに身震いです!
「ワイルドジャンボ」で歌う和田アキ子こそが最強。