
私のアイドル、ニコラス・ケイジ。近年はどんな駄作でも出まくる仕事を選ばない人のイメージが残念ながら強いけれど良作も何本かあったりして、さらに数年に一度は怪作を作るので有名(私のなかで)。その1本が「マンディ 地獄のロード・ウォリアー」です。



「マンディ 地獄のロード・ウォリアー」(2018年)パノス・コスマトス監督
カルト集団に妻を殺されたニコラス・ケイジが血まみれの復讐に立ち上がる! といういたってシンプルな物語を、ずっ~とLSDでトリップしているような幻想的で浮世離れした映像美、狂気に支配された世界観、ラブクラフト的な異形の恐怖でうわ~っと襲ってくる怪作でした。見始めたとたんに異世界に引きずり込まれる! ファンタジー、幻想文学、SF、コズミックホラーetc好きならば即魅了されるはず。そして主役はニコラス・ケイジしかいないってくらい彼の十八番のイカれた演技が冴えまくる! 俳優ニコラス・ケイジはまだ終わっていないよ~!
とにかく圧倒的なビジュアルでグイグイ話を強引に進める映画で、そこにヨハン・ヨハンセンの重量級の音楽が大音量で合わさってすごいドライブ感。ピンク・フロイドの「ザ・ウォール」や映画「ヘヴィメタル」を想起する人もいたり、壮大なヘヴィーロックゴシックファンタジー映画といえるかもしれない。好きな人はドはまりすること間違いなし(私)。


「私はゴースト(I am a ghost)」(2012年) H・P・メンドーサ監督
ずいぶん前にこの映画のポスター画像を見かけたことがあって思わず保存したまま忘れていたら、amazonプライムで配信されていることを最近発見。すぐさま見た映画です。登場人物はほぼ一人。ドレス姿の女性が洋館で不思議な現象に襲われ続け真相を解き明かそうとする物語。ちょっとアート映画学校の卒業制作か!?と不安にさせられる作りなのですが、全体のゴシックな雰囲気はとても好みだし、辛抱して(!)最後まで見続けると油断してたら腰が抜ける恐怖演出もあって(マジで怖かった)、斬新なホラー映画としてとても楽しめました。