
今すぐ聞くべき声、そして考えることやるべきこともありますが、やはり理解することも大事。ということで世界中のネットに今起きていることへの理解と連帯を示すためのコンテンツがあふれていて、そのなかでも「14 Films By Black Filmmakers That Everyone Should Watch In 2020」(2020年、すべての人が見るべき黒人映像作家による14の映画)が個人的にはとても役立ちました。
- 「ドゥザライトシング」スパイク・リー
- 「フルートベール駅で」ライアン・クーグラー
- 「ブラインドスポッティング」カルロス・ロペス・エストラーダ
- 「ボーイズ’ン・ザ・フッド」ジョン・シングルトン
- 「シー・ユー・イエスタデイ」ステフォン・ ブリストル
- 「ヘイト・ユー・ギブ」ジョージ・ティルマン・ジュニア
- 「クイーン&スリム」メリーナ・マツーカス
- 「グローリー/明日への行進」エヴァ・デュヴァネイ
- 「ビール・ストリートの恋人たち」バリー・ジェンキンス
- 「13th -憲法修正第13条-」エヴァ・デュヴァネイ
- 「ボクらを見る目」エヴァ・デュヴァネイ
- 「パージ:エクスペリメント」ジェラルド・マクムーリー
- 「ブラック・クランズマン」スパイク・リー
- 「Monsters And Men」(日本未公開)Reinaldo Marcus Green
もち全部見るべきなんですけど、なかでも今すぐ見るべきなのがnetflixで配信されている「13th -憲法修正第13条-」。

ドキュメンタリー作品で、アメリカでアフリカ系アメリカ人に何が起こっているのか。廃止されたと思われていた奴隷制が姿を変えて存在していて、いかに黒人たちの権利を奪いイメージを植え付け続けているのかを歴史を追って教えてくれます。2016年の作品なのに、まさに今起きていることのすべての答えが詰まっていて戦慄しました。何度も繰り返される不正義の歴史に絶望しそうになりますが、今度こそ今こそ社会システムの歪みを直すべき、とみんなに気づかせてくれる重大な作品だと思ったので、全世界が見るべき。
あと劇中で使われている楽曲がthe rootsにNASにパブリック・エナミーにアッシャーにコモンにとオールスターぞろいで震えます。

同じくnetflixで白人監督だけどスティーヴン・ソダーバーグ監督の「ハイ・フライング・バード -目指せバスケの頂点-」(2019年)もおすすめ。一部の金持ち白人が支配するプロバスケ業界でいいように使われる黒人選手たちの手に主導権を取り戻すため奮闘するエージェントの姿を描いた作品。地味~なんだけど、妙な爽快感もあったり、(私には)未知のプロバスケの内幕も面白くて、なかなか楽しめた。この映画で主人公が「お前これ読んどけ!」という「The Revolt of the Black Athlete」(黒人アスリートの反乱)という本、私も読んでみたい。んが邦訳出てないようで…。黒人アスリートたちがいかにレイシズムや不公平、経済格差と闘ってきたかの歴史本だそうです。

あとついでにnetflixのドラマで「#blackAF」も面白かった! 日本では多分未公開の「Black-ish」のケニヤ・バリスが製作主演してるファミリーコメディで、エンタメ界で大成功した主人公と家族のドタバタな日常を、長女が学校の課題の映像作品として撮っているという体で描くモキュメンタリーです。超リッチな黒人に対して我々が抱くステレオタイプなイメージを笑いに変えながら、人が勝手に抱く固定観念にちょっとNOを突き付け、見方を変えればみんなハッピーになるよ、と教えてくれる作品で、多様性ってこういうことだわな、と笑って楽しめるいいドラマでした~。
主人公が黒人に対する偏見に出会うたびに「これは奴隷制のせいなんだ」と必ず一席ぶつことから、毎話のタイトルに必ず「because of slavery(奴隷制のせい)」って入ってるとこも最高。