
なんとも上手く言葉にできない、じんわりと胸にくる感情を呼び起してくれる映画3本。休日の午後とかコーヒー飲みながら家で見るとじわ~っときていい、そんな映画です。ポップコーンは合わない、甘いビスケットで。という雰囲気。伝わるようで伝わりにくい説明。

「ショート・ターム」(2013年)ブリー・ラーソン主演
家庭に問題を抱えた10代の子供たちを一時的に預かる短期保護施設の職員と子供たちのドラマ。すぐに割れてしまうガラスみたいな感情を必死でコントロールしている人たちを優しく抱きしめてくれるような映画で、言葉で多くを語らないでも人との繋がりとか温かさを描いていてとても良かった。

「タルーラ 彼女たちの事情」(2016年)エレン・ペイジ主演
netflixのオリジナル映画。家を持たずに車で寝泊まりしている女性ルーは育児放棄している女性の子供を勝手に連れ去ってしまう。助けを求めて別れたボーイフレンドの母親のもとに転がり込むことになるが、彼女もまた問題を抱えていて…という、家庭に難あり女性たちオンパレードの作品。幸せになろうとして失敗してしまう女性たち、はみ出してしまった人間たちの奮闘記というか、思わず画面越しに手を差し伸べてあげたくなるくらい真に迫った役者たちの演技が素晴らしかった作品。なかでも、育児放棄している女性キャロライン役の人がスゴかった。もう痛々しくて見ていられないほど不安定な精神状態を見事に演じていて、彼女のキャラは一生忘れられない。

「好きにならずにいられない」(2016年)グンナル・ヨンソン主演
上のポスターの43歳ヒゲ大男が主人公のアイスランド映画。母親と二人暮らしの真面目で純朴な中年男性が、ダンスクラブで出会った女性に恋をする。北欧のほのぼのラブロマンス!?と思いきや、心臓をキュ~ッと締め付ける極寒物語です! 太っていてジオラマ作りが趣味で親と同居していて仕事場では虐められている、けれども誰よりも優しい、という典型的な人物像の主人公(書いているだけで泣ける)に初めて恋人ができて人生バラ色…になるわけがなく、もう切ないがどんどん押し寄せてきます。それでも主人公の底抜けの優しさが、見ながら泣いている観客(私)をそっと癒してくれるような最後でじわっとくる、そんな作品でした。