amazonプライムで、映画マニアがVHSテープ時代を熱狂的に語るドキュメンタリー映画「VHSテープを巻き戻せ!」配信されていたので見ました。そのなかでカルトホラー「バスケット・ケース」の監督フランク・ヘネンロッターが、とある映画のVHSカバーを見せながら「VHSテープ時代のカバーアートは最高なんだよ!」みたいなことを言っていて、そのVHSカバーがほんとうに最高だったので思わず停止して見てしまいました。
それがこちら(上)「House Of Whipcord」(1974年)。「拷問の魔人館」というドえらい邦題がついており、女子矯正施設が舞台のエクスプロイテーション映画のようです。「多くの女性が入っていったが、誰一人出てきたものはいない!」の煽りコピーと若い女性の裸と鬼のような老女の鞭とてんこ盛り。
今みたいにネットで情報をすぐ取ってこられる時代と違って、VHS時代はジャケットが命。カバーでいかに客の目を惹くかが最重要だったので、なかにはジャケ詐欺みたいな(中身とまったく違う)ことも多かったそうで。確かに探してみるとものすごく魅力的なものがわんさか出てくる~。
何度観ても内容がぜんぜん把握できない(私だけか)ホラー映画「ファンタズム」(1979年)
どうも日本未公開のエイリアン侵略もの「Without Warning」(1980年)。予告がyou tubeにUPされていたので見たら、小さいフリスビーみたいな吸盤式のエイリアンがビタッと人間にくっついて殺しちゃうみたいな映像。あれ、このポスターの宇宙人は?と思っていたら、宇宙人がそのフリスビーを人間に向かって投げていました(ずっこけ)。もしかしたらすごく面白い映画かも、しれない。
日本未公開ぽいお色気エクスプロイテーション映画「Fly Me」(1973年)。3人のフライトアテンダントが空手でアクション!
パム・グリアも出演しているエクスプロイテーション映画「Big Doll House」(1971年)。地獄の女囚刑務所からの脱獄を描いたアクションのようで、「残酷女刑務所」の邦題がついています。女子とマシンガンはこの時代の鉄板。
不気味なネコちゃんの顔がナイスなホラー映画「The Legacy」(1978年)。キャサリン・ロス主演でわりとちゃんとした映画のようですが、車で事故った相手の屋敷に行ったら不審な死が続いて実は魔女がいた~という内容。
めちゃくちゃ評価の低い動物パニックもの映画「吸血の群れ」(1972年)原題はポスターにもいるカエルまんまの「Frogs」。大量発生した爬虫類が人間を襲うそうです。中身はともかく日本版のポスターの出来はよい。
日本未公開のホラー映画「Midnight」(1982年)。ヒッチハイクしていた女性たちが悪魔崇拝のカルト一家に襲われるというどこかで聞いたことのあるようなシチュエーションのホラーです。この一瞬ブタ?と思った(ひどい!)ものは、悪魔崇拝の一家の死んでしまったお母さんで、彼女を生贄を捧げる儀式で蘇らせるとかいう内容だとか。
こちらは名作ファンタジーアクション「タイタンの戦い」(1981年)このキラキラ幻想的なビジュアル(タイトルロゴ含め)いい!
イギリスの名門ホラースタジオ、ハマーフィルムの「妖女ゴーゴン」(1964年)。髪の毛が蛇になったメデューサが主人公のホラーで、大昔に見たのですが記憶が薄くて感想思い出せなくてすいません。
日本未公開のドタバタ幽霊コメディ「The Ghost In The Invisible Bikini」(1966年)。ボリス・カーロフ(!)演じる富豪が死ぬと、24時間以内にいいことしたら天国に行けるよといわれて、昔死んでしまったガールフレンドの幽霊(なぜかビキニ姿)と協力して遺産を横取りしようと企む悪徳弁護士をとっちめる、というめちゃくちゃな設定の映画だそうです。歌あり笑いありのパーティ映画のようで、ナンシー・シナトラが1曲歌ってくれているとか。しかし映画の評価は低い模様。
説明はいらないと思いますがゴジラ映画第17弾「ゴジラvsビオランテ」(1989年)。生頼範義さんのグラフィックがすべてのポスター。数多くあるゴジラ映画シリーズでも人気が高い作品ですが、私はどうにも好きになれない作品(すいませぬ)だけど、画面いっぱいに浮かぶ沢口靖子の顔のラストシーンは一度見ておいたほうがいいくらいのすさまじい破壊力なのでぜひ。
結果VHS映画ジャケだけじゃなくて映画のポスターも交じっておりますが、70~80年代くらいのイラスト中心の映画ビジュアルは今見てもかっちょいいものが多いように思えます。
そして冒頭のドキュメンタリー映画のなかでほほ~と思ったことがもうひとつ。今や映画も配信中心になってきて、パッケージとして買うことが減ってきているなか、「purchase(購入する)」という言葉の意味が変わってきているってマニアの一人が言っていて、要するにお金を出して買ったとしても、自分の手元に所有することとはまったく違う世界になってきているということ。モノとして残らない時代に、これからマニアとかコレクターの姿も変わっていくのかなぁとぼんやり思った次第です。
そしてキャッチ画像は「VHSテープを巻き戻せ!」のサントラのCDジャケなのですが、これもよく見ると全部イラスト。一瞬VHSテープは本物で写真かと思ってしまいました。これを書いたアーティストはHollis Brown Thorntonさん。
これもイラスト。彼のウェブサイトでいろいろ作品見れますので、興味のある方はどうぞ。