
集中力が持たなくなってきたせいか、映画は90分、1時間程度のドラマはもっと最適。あと1日に一気見とかも無理になってきたけれど、やはり夢中で見ちゃうドラマもあって(それでも1日1話で)、最近ハマったものはnetflixの「ザ・クラウン」(シーズン3まで配信中)。遅まきながら見ました。最高。

ご存じ英国ロイヤルファミリーの内幕をどか~んとドラマ化。現役の女王、エリザベス2世の幼少期から物語は始まり、ドラマに出てくる多くの人物がまだ存命のなか、彼らの光と影を赤裸々に歴史的事実に基づいて遠慮なく描いているんだから恐れ入りました。イギリスの極右とか保守派が憤死するんじゃないかと心配するぐらい、王室内のスキャンダル(不倫にスパイ行為に騙し合い)をガッツリ取り上げていて、異国の私からしたら初めて知る事実も多く(いちばん驚愕したのは我欲の塊エドワード8世がナチスに国を売った話)、いろんな意味で物語にくぎ付け。浅~い知識で、なんとなくエリザベス女王は冷たい印象で、チャールズはいけ好かない野郎だと思っていた私の印象が、このドラマでガラリと変わり、とくにチャールズに心底同情する日がくるなんて!と思うような胸が苦しくなるようなエピソードもあり(シーズン3)。ドラマと現実を一緒にすんなってのはわかってますけども。ただの王室礼賛ドラマじゃなくて、しっかりと王室の功罪を民衆の目から捉え、皇族であるだけで自由に生きる権利を奪われるとはどういうことなのか、そのうえで国家としての君主制の在り方をエリザベスの人生と共に描き出す、もんのすごいドラマでした。

特にシーズン1の序盤で父ジョージ6世の崩御により女王となったエリザベスに「God Save The Queen(女王陛下万歳)」と人々が跪くシーンが鳥肌もので、まったく関係ない私も思わず「女王陛下~」と叫んでました。そのぐらい1話1話が1本の映画か!レベルの脅威の完成度。
先ごろ大いに話題になったヘンリー王子とメガン妃の騒動も、はは~ん、なるほどね…とまるで内情を知る人のように振る舞えるぐらいの、にわか王室知識も付きます。