「欲望という名の電車」ポスター
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負担かけまくる映画

最近のnetflixの人気急上昇リスト見てたら、「コンテイジョン」だの「アウトブレイク」だのインフルエンザ関係のドキュメントだのがぞろぞろ出てきて笑いました(不謹慎ですいません)。パンデミック映画を見て自分を追い込んでいく姿勢、嫌いじゃありません。そんな私も立て続けに精神に負担をかけまくる映画見てしまいました。意図したつもりはなく自分の無意識のセレクトが怖い。

「欲望という名の電車」ヴィヴィアン・リー主演 エリア・カザン監督(1951年)

アマゾンプライムにたまにまぎれこんでくる過去の名作シリーズで見つけ、大昔に一度見たきり忘れていたので再見。妹夫婦の家に転がり込んできた未亡人ブランチ。南部のお嬢様育ちのブランチは、労働者階級の妹の夫スタンリーとそりが合わず衝突を繰り返し、やがて破滅的な結末を迎える、というテネシー・ウィリアムズの名作戯曲の映画化です。名家から落ちぶれ結婚生活も破綻し、家も金も名誉もなくなった女性のプライドとエゴがずたぼろになっていく様を延々見させられる拷問映画です。主人公ブランチは極端なまでに理想の自分をファンタジーとして自分の中に持っていて、現実を受け入れられず、こんなセリフを吐きます。

「現実なんていらない。魔法が欲しいのよ」 誰しも劣等感と自尊心に揺れ動く気持ちわかると思うのですが、 私はこのセリフで発狂。わかる!わかるよ~~(泣)。辛いだけの現実じゃなくて、キレイな魔法の世界を求めて何が悪いの?という魂の叫び。しかしつねに現実が勝つ。そんな非情な世界で映画は終わり、私もぐったり。

「アンカット・ダイヤモンド」 アダム・サンドラー 主演  ベニー・サフディ&ジョシュ・サフディ監督(2019年)

netflixのオリジナル作品です。この(上)ゴッテゴテの悪趣味なファービー人形ネックレスを持つ、これまた胡散臭い面構えのアダム・サンドラー扮する宝石商が主人公の画を見て魅力を感じる人は少ないかもしれませんが(ひどい!)、中身も終始全員ががなり立てて大騒ぎしててストレス半端ないからスゴい。宝石で大金を稼ごうと悪戦苦闘する男の地獄のような数日間を描いています。「まだ俺はやれる」「まだ俺は本気出してないだけ」系の、もう人生崖っぷちであと数ミリで転落するのに、崖にいることも無視してジャンプするみたいな、正気の沙汰とは思えない行動をする人物が主人公なので、見てるほうは終始イライラするしハラハラもする、心臓に悪い映画です! 共感性羞恥が強い人は多分吐く。それでもなぜか見入ってしまう不思議な映画でした。2時間別次元の地獄のドライブに連れて行かれたような感覚。

「ブラック・ クランズマン」 ジョン・デヴィッド・ ワシントン 主演 スパイク・リー監督(2019年)

1970年代、白人至上主義秘密結社KKKに捜査のため入団した、黒人潜入捜査官の実話を基にした映画。 基本的にコミカルにテンポよく潜入捜査のスリリングさが描かれてエンターテインメントとして面白いのですが、要所要所にスパイク・リーらしいブラックパワーのメッセージが濃厚に出すぎてお腹いっぱいになりそうなときもあるなぁと不遜にも思ってしまいました。そうしたらですよ、映画のラストのラスト、戦慄するような映像が流れて、 映画本編の潜入捜査は単なる長~い前フリ、この数分にすべてが込められていたんだとわかり、正座しました。過去の出来事は現代と地続きで、何も終わってはいないんだ、という痛烈な社会風刺がお見事。娯楽作だけど恐ろしい映画でもありました~。

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