地味に良かった映画

動画配信の勢い衰えずでDVDがついに滅亡間近なのではないか、というニュース最近読みましたが、確かに私もすっかりネットの配信で映画を観ている…。すんません。便利だから…。ただ、膨大なコンテンツ量のなかから好みの映画見つけるのも一苦労で、ついついおススメ機能ばかりに頼ってしまうなか、なんとなく気になってマイリストに入れておいた映画で当たりのやつがあるとうれしい。そんなことありませんか。そんな最近の地味に当たりだった映画をいくつか。

「彼の見つめる先に」(2018年) ダニエル・ヒベイロ監督

なに、このさわやか青春ポスター(上)。青春の象徴、二人乗り自転車! 目が見えない高校生レオと幼馴染のジョヴァンナ 、そして転校生ガブリエルの淡く可愛らしい青春恋物語。iphoneからベルアンドセバスチャンがかかって二人でおずおずと踊り出したり、ぎゃ~!と叫びだしそうなくらいのキラキラ演出満載なんだけど、とても丁寧に若者の初恋の気持ちを瑞々しく描き出していて、枯れ切った中年の心にも響きました。いじめの問題も扱っているけれど、最後まで温かく優しい気持ちにあふれた素敵な作品で、こんな良心だけでできている映画もいいじゃない、と思ったくらい。

「きみはいい子」(2014年) 呉美保監督

児童虐待、育児ネグレクト、自閉症、認知症など気がずっしり重くなるような問題を数個のエピソードで綴る物語。すべてに共通しているのは、きっとどこかで誰かがあなたのことを抱きしめてくれる、という優しい目線なのですが、なかなかにヘビーな内容なので、途中くらいまで重苦しさに負けそうになりました、が、最後まで見てみれば涙がじんわりと出てくる良作でした。2度見返したいとは(しんどいので)思えないけど、何か心に残るものがあります。私のお気に入りの高良健吾くんが小学校の先生役で出ていて、基本善良だけどうまくやれない人物像がよくできていて、ラストは彼のエピソードで締めくくられるのですが、善良さだけでは世界はうまく回らない、っていう悲しい現実も投影していてなかなかのビターエンドでした。

「真夜中の処刑ゲーム」(1982年) ポール・ドノヴァン監督

ちょっと古い映画だけど見始めたら面白ろすぎて興奮した作品。自警団に襲われた青年が逃げ込んだアパートで住民とともに籠城し、武装した自警団に立ち向かうバイオレンスアクションです。マシンガンやナイトスコープ付きのスナイパーライフルなど軍隊なみの武装自警団(怖すぎ)に、銃一丁と生活用具でDIY武器を作ってアイデアと戦術で立ち向かう素人集団の闘いってシチュエーションが面白くないわけない。しかも素人集団てのが、LGBT、 視覚障害者 、科学オタク、という社会的マイノリティが武装プロをやっつけるのだから、見ていて思わずガッツポーズ。ただ、あくまでハードボイルドなので、スカッと爽快ともいかないのもまた渋い。おススメ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください