鉄道自体にはまったく興味ナッシングなのですが、鉄道で使われている内装には興味あり。最近見つけたのは海の向こうのイギリス、ロンドンの地下鉄やバスの椅子に使われているファブリック(生地)のアーカイブです。今では当たり前のようにベルベット系の起毛した生地が椅子に使われていますが、 moquette(モケット)というこの摩擦に強い生地を最初に採用したのが Enid Marx(イーニッド・マルクス)という女性デザイナーだそう。マルクス…? まさかと思いきや、そのまさかで本当にあのカール・マルクスの遠縁のいとこなんだそうですよ。
肩に猫を乗せてデザインしているイーニッド・マルクスと1938年の地下鉄のシートのデザイン。
去年開かれたロンドンデザインフェスティバルで彼女のテキスタイルデザインを特集した展示があったようです(画像上)。見てみたかったなぁ。女性で初めてRoyal Designer for Industry(産業デザイナーのイギリス最高峰の栄誉、多分)の称号をもらったり、エリザベス女王の戴冠式の記念切手をデザインしたり、 イギリスではかなり評価の高い方でした。
上は1930年代のピカデリーラインとバスの写真。今見ると素朴で可愛い。
この生地に目をつけた英国のおしゃれ野郎がいて、なんとロンドン地下鉄とコラボして家具を作ったというじゃありませんか。
おしゃれすぎ~。bakerlooとかcentralとかpiccadillyとか、それぞれ使われている路線の名前が付けられた家具シリーズ。日本でいえば丸の内とか大江戸とか銀座とかいう感覚? いつも通勤通学で使っている路線のシートを家にも、って鉄オタなら狂喜乱舞なんだろうけど、ちょっとそのままだと…と躊躇しちゃう私のような人でもこれなら欲しいと思わされるおされ感。さすがイギリス…。
このコラボ家具シリーズは第二弾だそうで、以前のものはLondon Transport Museum(ロンドン交通博物館)でも販売していて(画像上)、とっても素敵ですがそれなりのお値段(当たり前か)。このロンドン交通博物館は、 ロンドン中心部のコヴェント・ガーデンにあって行きやすいし、グッズSHOPには可愛い雑貨がわんさかあって、さらにこのコラボ家具を使用したカフェや、昔の鉄道車両が展示されていて、上で紹介したイーニッド・マルクスらがデザインしたシートの本物も見ることができるそうなんで、ロンドン旅行の際にはぜひとも予定に組み込んでいただきたい。