
最近のいろいろ
書き留めておかないとすべて忘れる脳になってきた(前からか)ので、最近見た映画で面白かったものをいくつか。書いたからといって忘れない保証はないけど…。ヨーロッパ文芸ものから韓国時代劇まで。予想外に面白かった作品が続きました。

「トゥ・ウォーク・インビジブル」
amazonプライムで配信していたBBC制作のTV映画。タイトル画像に惹かれて観たらけっこう拾い物の佳作でした。世界一有名な姉妹かもしれないブロンテ姉妹がどのようにして育ち、なぜ素性を隠して作家活動を続けていたのか、姉妹と兄、そして父との関係のなかで描いた作品。絵作りがとにかく繊細で美しくて、どのシーンもうっとり見惚れちゃう~。そしてブロンテ姉妹のお洋服が、質素でいながら細部に可愛らしさがあって、全部いただくわ! と叫ぶレベル。あと、100年以上も前の話が最後、現代へとつながっていく展開もとても良かったな。ブロンテ姉妹の小説を読んだことがない人でも十分に楽しめる、姉妹の絆と女性蔑視の社会を生きた女性の苦闘の物語として見ごたえたっぷりでした。

「博士と彼女のセオリー」
ホーキング博士のラブストーリー。実在の人物の自伝話&障害と戦いながら愛を貫いた二人、とかいうと、とっても真面目な感動作なんだろうなあという勝手な思い込みで見るのを先延ばしにしていたのですが、予想を裏切られて、ほろ苦い大人のラブストーリーでしたわ~。魔法がかったようにまばゆく輝く出会いから結婚まで、そして次第に歯車が狂っていく後半には、夫婦のドロドロとした関係を赤裸々に描いてて、天才といえども人間だもの、とホッとします(凡人感情丸出し)。献身的に夫に仕える妻という図ではなく、愛してるからこそ自立した一人の人間としてお互いを認め合う愛の形が描かれていて、やっぱ天才夫婦はすごいと感服いたしました。

「或る終焉」
カンヌで脚本賞を獲った、終末期患者の世話をする看護師の男の物語。と聞くと、「おくりびと」的な感動ヒューマンものかと思ってあまり期待せず見始めたら、見てびっくりの介護ホラー映画でした! 主人公の男が一体何を考えて働いているのか謎すぎて(最後なんとなく明かされるけど)、次に何が起こるのか一瞬も気が抜けない心理的に怖すぎる、という意味でのホラーです。最後も口ぽっか~んの終わり方。常に不穏な空気の漂う恐ろしい映画。

「群盗」
韓国時代劇アクション。監督の前作「悪いやつら」がすんごく面白かったので見ました。いきなりマカロニウエスタンが始まったのかと思うくらいドストレートな西部劇タッチの演出が冒頭から爆発、その後もキメキメ&キレキレそしてケレン味たっぷり映像のオンパレード。ケチな商売をしながら暮らすと畜人の主人公が、ある事件から復讐に燃える戦士へと成長する様、対する敵役が極悪人だけれど陰のある美青年で剣の達人、というキャラ立ちも2000%の完成度。最後の竹やぶでの対決は、おもわず声がでちゃうぐらい盛り上がった!

「観相師」
「群盗」を見て、少し前に見ていた韓国時代劇ものを思い出しましたのでメモ。ソン・ガンホが時代劇!? という興味だけで見始めたら、予想外に面白くてびつくり。人相をみてその人物の性格や考え、過去や未来までも当てられるという観相師が政治的陰謀に巻き込まれる、という物語。お話がとにかく良くできていて、予想外の結末で私もまんまとダマされた! 見て大満足の娯楽作でした。
ところで、韓国時代劇でいつも気になる男性の黒いヘアネット(?)。たぶん外国人が青剃りのちょんまげを見ても同じこと思うんだろうけど、これいいの? という感覚。慣れるしかないのでしょう。

