
もう枕詞となっている今更見たシリーズ、「ル・アーブルの靴磨き」アキ・カウリスマキ監督(2011年)最近やっとこ見ました。やっぱりめちゃくちゃ良かった~。泣き笑い幸せな気持ちで満たされました。いつもいい映画撮ってくれてありがとう、アキ・カウリスマキ様。

フランスの港町、ル・アーブルで靴磨きをして生活している男のもとに、アフリカから密航して逃げてきた少年が転がりこんできて、少年を救おうと奮闘するも、同時に妻が病で倒れ、次々と困難に見舞われるが、近所の人々の協力と思いがけない奇跡も起こって、物語はハッピーエンドへと向かっていく人情喜劇。淡々と、しかしゆるやかなユーモアにあふれたいつものカウリスマキ演出が冴えわたり、魔法にかけられたように現実離れした世界にふわっと連れていかれたような、でもとても居心地のいい気持ちになります。ラストに桜が咲いて終わり、心にも小さな花が咲くような温かくにんまりしちゃう終わり方は100点満点!!

そして今回、画作りも最高に素晴らしかったのですが、なかでもミッドセンチュリーモダーンなインテリアが眼福もの。おしゃれすぎ~。たまらず調べてみたら、なぜか検索に引っかかってきたのが、モノホンのル・アーブルの世界遺産のウェブページ。なんでだろう?とページを読んでみましたら、建築家オーギュスト・ペレがル・アーブルに建てたマンションがまさにミッドセンチュリーモダンのお手本みたいな部屋だったからとわかりました。

images via le havre World Heritage Site
こちらがそのお部屋。あら素敵。現在では美術館になっていて、誰でも見学できるそう。
そしてまったく無知でお恥ずかしいかぎりなのですが、ル・アーブルの街自体が丸ごと世界遺産登録されていたとは知らなんだ。「オーギュスト・ペレによって再建された都市ル・アーヴル」として登録されているそうです。第二次大戦で壊滅的な打撃を受けたこの都市を、戦後、建築家のオーギュスト・ペレが中心となって再建、その結果20世紀を代表する建築が立ち並ぶ文化都市として見事再生したそう。
image via le havre World Heritage Site
コンクリートの詩人と呼ばれたオーギュスト・ペレの傑作のひとつ、サン・ジョセフ教会の内部。鮮やかなステンドグラスと武骨なコンクリートの組み合わせがこんなに荘厳で美しいなんて。ちょっと実物見てみたい気になりました。