
art selfie
2月に公開予定の映画「キャロル」の宣伝で主演のケイト・ブランシェットがインタビューで「監督から数多くの女性アーティストのアートを見せられて、なかでもヴィヴィアン・マイヤーの写真に多くの影響を受けた」と語っていて、猛烈に気になって調べました。
ヴィヴィアン・マイヤーは1926年NY生まれのアメリカ人女性で、20代の頃からナニー(子守り)の仕事をしながら、住んでいる街のストリートの人々やセルフポートレートを撮り始めていたけれど、生前に彼女の作品が世に出ることはなく、2007年にシカゴに住んでいたJohn Maloof が、もともとは地元についての本を書くために古い写真を集めていて、偶然オークションで購入したネガ入りの箱に入っていたのがヴィヴィアン・マイヤーの作品だったというドラマチックなストーリー。Johnがブログで彼女の作品を公開し始めたらあれよあれよと評判になって2011年に写真集が発表され、2013年には謎の多い彼女の生涯を追ったドキュメンタリー映画「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」公開と、天才写真家が発掘された!とアート界では大騒ぎだったよう。
なにごとにも数年遅れが基本の私のチェック能力なので、今頃彼女のことを知った口ですが、写真集は残念ながら日本版は出てないけど、映画のほうは3月にDVDがリリースされるようなので、ぜひ見てみたい。写真のほうはサイトで一部公開されているので見まくるといいですが、名も知れない路上の人々の人生を一瞬で切り取った写真の素晴らしさはもちろんのこと、セルフポートレートが秀逸で、こんなやり方があったか~と興奮。アイデア、構図が天才的なうえに、そこに写るヴィヴィアン本人の少し憂いのある表情が胸に迫ります。今SNSで大流行のセルフィーをこんな昔にかっこよく撮ってたなんてスゴすぎ。




