前々からうすぼんやりした考えだったものが、最近読んだブログ記事で明確になって、なるほど!と膝を打ったのでした。いつ頃からか流行りだした「自己責任」って言葉の恐ろしさについて警鐘を鳴らしたこちらの記事「自己責任を求める成功者たちにつけるクスリ」です。
自分は自分の力で頑張ってきたんだという強い自意識があるから、社会的な弱者に対して「他人のせいにするな」と平気な顔で言い放ってしまう
一部の成功者が、TVや公の場でよく口にする、「自分はそんなことに負けなかったんだから、悪いのはお前」的な論理、私も釈然としない気持ちで聞いていたのですが、この記事で紹介されていたオバマ前大統領の言葉に、ものすごく納得&共感。
私がいつも驚かされることがあります。(自分が成功したのは)単に自分がとても賢かったからに違いないと考える人々がいるということにいつも驚かされるのです。(中略)もしあなたが成功者だとしたら、誰かがどこかのタイミングであなたのことを助けているはずです。
当たり前ですけど、成功に至る過程で様々な人と関わらなければその地位は築けなかったはず。多くの人の助けでたまたま頂点にいる人が、途中で成功からは落伍したかもしれない人の弱さを弾劾するのってなんだかなあ。最近も体罰問題で「さんざん体罰受けてきたけどまともな人間に育った」とかいった芸能人いたけど、それもたまたま彼がそうであっただけで、体罰によって命を落とした人、心に傷を負った人が少なくともいることをふるい落とした発言でガッカリしました。まあ人は自分の体験によって語ることのほうが多いからやむなしな部分もあるでしょうが、とくに影響力のある人たちが想像力に欠けた発言を繰り返すのは残念。
と、この件ではたと思い当たったのが、映画「エンジェル・ウォーズ」のこと。いきなりなんだ?と思うかもしれませんが、世間の評価はあんまり良くない作品なのですが、個人的には妙に心に刺さった作品で、それがなぜだったのかがわかったのです。
自由を求めて戦う女の子たちの話で、主人公だと思われていた人物が映画ラストになって「これは私の物語ではなかったんだわ。これはあなたの物語なのよ」と、自分を犠牲にして一緒に戦っていたほかの登場人物を救うという展開。
最近はSNSの流行りもあって、自分が主人公であることが重要なんだと思わせがちな世の中で、人は一人で生きてるのではなく多くの人の手助けによって世界は成り立っているんだ、というメッセージにグっときたんだな!と今気づきますた(遅すぎ~)。
さらに映画のほんとの最後に字幕で、自分たちが愛する世界を守る力をもっているのは映画を見ているあなたたち一人ひとりである、と、どか~んと出てきて、ちょうど3.11の震災直後のこともあって余計に胸に刺さったのでした。主人公ってのはたまたま選ばれた一人であって無数の人々の力こそが重要なんだってこと忘れないでおきたいもんです。